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2021-06

太宰のお伽草紙

とかく熱烈なファンの多い太宰治という作家。
私はそこまでいえるほど読み込んではいないので、まだ、好きとか嫌いとかは言えない状態。
とはいえ、手元に数冊の作品集があるわけで、
それを一応全部読んではいるのだから嫌いなはずはなく、
むしろ好みではあるのだなと…

さて、そんな太宰作品の中でつい先日初めて読んだものがあり、
その作品は、ものすごく気に入って、何度か読み返しております。

それは、何かといいますと、昔ながらのおとぎ話を太宰風に解釈したもので、
題名もズバリ「お伽草紙」

ちょうど、芥川龍之介が古典を新解釈し「鼻」、「芋粥」、「羅生門」などといった諸作品を生み出したような感じなのですが、
こちらの方は、原作となるおとぎ話が、誰もが知る有名な話であり分かりやすく、
また、なぜそう解釈したのかも、太宰自らが詳しく(というか、ややくどくどと女々しく)書き記しているので、
一般的な原作とのイメージの格差が、芥川の諸作品よりもはるかに分かりやすく、
そして身近に感じられ、ある意味推理しつつ読めるのでとても面白い。

また綴られている物語は、「コブ取り爺さん」、「浦島太郎」、「カチカチ山」、「舌切り雀」の4編で、
日本人ならば、まず知らない人はいないはずの物語。
ですが、
というか、それだけにかな?
太宰版を読むと新鮮で、いきいきと、そして色彩感あふれ、
そして何よりワクワクしながら読むことができました。
ここでざっとあらすじを書くのも簡単なのですが、
なんせ短い短編なので、ここはぜひお読みいただきたい。
(上記題名をクリックしたリンク先ですぐ読めます)

そういうわけで、ネタバレにならぬ程度にごく簡単な私の感想を。

瘤取り
読み進めるほどに身につまされる…
う~ん、この爺さんはわしではないか?

「性格の差は確かに悲喜劇の原因となり得る」
とはまさにその通り。
確かに誰一人として悪くはない。

でもこういう悲喜劇が世の中の現実なんでしょうね。

浦島さん
亀さんがいい味出してるな~。
口が悪く遠慮がないが、正しいものの見方ができ、
道理をわきまえ情にも厚い!
この亀は絶対いい人(?)だ!

玉手箱の解釈が、私と全く同じだったのでちょいとびっくりで、とても嬉しい!

カチカチ山
「この時代からもう原作は改変されていたのか?」
と、まずは驚き。
兎と狸の設定に、
「そういわれれば確かにそうだ!」
と、納得したのち気づけば、
「もうこれしかない」
と引き込まれ、
気が付きゃ、兎と狸の両者の大ファンになってしまっておりました。

私の一番のお気に入りのお話し。

舌切雀
そんなに太宰を知らない私が、
「いかにも太宰らしいな~。」とそう感じた作品。

寂しさと、せつなさと、暖かさと、冷たさ、
それら全部が一緒くたになりながら、いきなりぱっと燃え上がり、
そして静かに消えてゆく。
読後は少しだけ残ったせつなさが、ゆっくり波が引くように消えてゆく。

最後のおばあさんの落ちがやりすぎで、
「ばあさんそこまで悪い人じゃないのに…」
と思ってしまいましたが、やはりこれは「舌切り雀」なのでしかたないのか。
個人的には、この爺さん好きじゃないけど、やはり全体的に良い話。


なお、「桃太郎」については太宰本人が書けなかった理由を述べており、
その言い訳めいた描写が、女々し卑屈でいかにも太宰らしく、
それがまたとても面白かったです。

みなさんも、ぜひ読んでみてくださいね♪
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