ひす日記BBS

日々の出来事や、連絡事項

2017-07

【その9 ウイックとポンプ】

ストーブやトーチは、バーナー部で炎が噴き出します。
一見当たり前のことのようですが、普通バーナー部は燃料タンクより上部にあるので、
そのためには重力を振り切り、バーナー部まで燃料を送り出す必要があります。

そのため、ポンプによる圧送という手段が良く取られますが、
そうなるとどうしても部品点数が増えてしまい、大型化します。
CA393847.jpg
(このストーブの場合「a」の部分がポンプです。)

ですが、もっと簡単で効果的な方法も実はあるのです。
それが「ウイック」。
CIMG1414.jpg
(これはSVEA123Rのもので自作新品。上は古く劣化したオリジナル)

綿などの細い繊維をひも状に寄り合わせ、
その両端の片方を燃料に浸し、もう片方をバーナー側へつなぐ。
すると、毛細管現象により燃料はバーナー側へと移動するので、
それによりタンクからバーナー部への燃料供給を行ことが可能になります。
この方法は非常にシンプルなため、ポンプに比べると部品点数を減らすことができ、
結果ストーブを小型化することも可能になります。

また、ポンプの場合だとまだタンク内に燃料が残っていても、
フュエルチューブ(燃料管)の先端の位置がそれに浸っていなければ吸い上げられませんが、
ウイックの場合、タンクの底全体に広がるようにしておけば、
どの部分からも燃料を吸い上げることができます。

ですので、手で持ち角度を変えて使用することの多いガソリントーチなのでは、
ポンプがあるにもかかわらず、ウイックも併せて持っているものが多いです。
(灯油トーチにはウイックが無い理由は後述。)
CIMG9289.jpg
(バーナー下部にある房状のものがウイックでタンクの持ち手がポンプ。)

ですが、毛細管現象という自然現象を利用しているため、供給速度に限界があるり、
次のような問題点もあります。

①使用燃料が主にガソリンやアルコールに限られる。
安定して燃料を供給するには、揮発性が高く粘度のが低いほどよい。
だから、揮発性が低く、粘度の高い灯油への使用は不向きとなる。
(実際過去に灯油燃料で、ウイック、加圧で試しましたが、
圧の大小にかかわらず、ウイックが邪魔をするので灯油は安定して供給されませんでした。
これはおそらく、ガソリンより灯油の方が分子量が大きく粘度が高くなり、
毛細管現象がガソリンほど効率よく行われないからだと思います。)
CIMG8568.jpg
(だから灯油トーチにはウイックが無いのです。)

②ウイックの密度とバーナー部のバランスが重要。
繊維の密度が高すぎても低すぎても、燃料供給が不安定になり、
炎が息継ぎを起こすようになるので、
ちょうど良いバランスはトライ&エラーで見つけ出すしかない。
ウイック2
(①空気過多、②適正 、③空気不足)

③燃料吸い上げにはプレヒートによる加圧が必要。

自然現象を利用するため、そのままでは燃焼に十分な燃料を吸いあげられない。
だから、使用前には必ずプレヒートによりタンク内を加圧する必要がある。


一方ポンプの場合は、強制的に加圧してしまうので上記のような問題無く、
ほとんどの液体燃料に対応できます。
ですが、それゆえに揮発性の高い燃料の場合は開閉可能なバルブを持たない限り、
安全に消火できないだけでなく、熱暴走を起こしてしまう恐れがあり危険です。

というのも、灯油の様に引火性が低いものの場合は、
圧が高まりすぎても、フィラーキャップを開放し圧を抜いて対応できますが、
ガソリンやアルコールでそのようなことをすると、
まず、引火し爆発してしまいますから。

そういうわけで、ポンプ式のガソリン、アルコール対応のストーブなどには、
なからずスピンドルによるバルブ開閉機能が付いております。

これはつまり言い換えるならば、そのような機能があるケロシンストーブには、
ニップルを交換すれば灯油やアルコールの使用も可能になるということでもあります。
IMG_9858.jpg
(ブスなどはその代表選手。)

この場合、引火性の高さによる熱暴走の恐れについては、
通常の使用方法ではそんなに問題が無いと思っております。
というのも、出口のオリフィスサイズがニップルにより決まっているので、
燃料が過剰に送られる心配がないため、
一定以上の加圧は「過剰な燃料供給」ではなく、「過剰な圧力」にしかなりえず、
ないと思います。
(それ以上の加圧は手動のポンピングでは無理でしょうし、普通しないはずです。)

ですが、それでもやはり無茶な加圧や、不適切な使用によるオーバーヒートで、
以上に高圧になり熱暴走する可能性が無いこともないので、
ガソリン使用の場合はタンクに安全弁を備える方がやはり安心できますね。

CIMG1920.jpg
ガソリン専用機のOPUTIMUS111Bには安全弁付きフィラーキャップが付属。

CIMG9391.jpg
灯油、軽油、ガソリン使用可能なマルチなGENIOLも後期型は安全弁を持ちます。
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コメント

ウィック

こんばんは

消耗品であるウィック交換はメンテナンス欠かせませんね。

代替えウィックの材料を考えると、
ホームセンターで売っている綿ロープ
1m買うのには気がひけます。

掃除用モップの毛
使用済のものにはゴミが付いてます。

アルコールストーブの芯
芯だけ取り寄せも気がひける。

タコ糸
束ねても細すぎるし、うまくほぐせるかな。

Enders 9061 や、Enders 9060 燃料パイプが長いのですが、バルブ付近までウィック入っているのでしょうか?

どうやって押し込ます?
ヒネリを加えながら押し込みますか?
ウィックが乾燥していれば膨張していないので難なく挿入できるものなのでしょうか?

針金は、折り返したウィックがバラケないようにするためのもので、長さが短いので挿入用ではないですよね。
針金を太く長くすれば、洗浄ブラシのように挿入しやすい気がしますがどうなんでしょう。

ウィック消耗(劣化)の判断はどうされていますか?
まず、燃焼状態(赤火・息継ぎ・火力低下)でしょうが、ノズル穴の広がりも関係してますし。

タール付着(目詰り)・痩せ細り、でしょうか。

色は、熱・赤ガス使用、不純物による変色でしょう。

煤は、燃焼で発生するので、タンク内では煤発生しないと思っています。

次の、つっペストーブ たちですが、
http://hisuaki.blog31.fc2.com/blog-entry-2938.html

http://hisuaki.blog31.fc2.com/blog-entry-2940.html

コイル外せないように見えますが、どうやってウッィク入れるんですか?
コイルの両端に2本入っているですか?

今回も質問攻めなり、御迷惑かけます。
質問されると、教えたくなる性格の方でしょうか?
こまめにブログ更新しているので、
「ストーブの楽しさ・魅力・ご自分の持っている技術を紹介したい」
と勝手に思い込んでますが。

Re: ウィック

こんにちは。
私はウイックを作る際、綿綿をより合わせて何本かのひもを作りそれを利用しております。
上手くより合わせれば、痩せもなく吸い上げも良好で使い勝手が良いですよ。
9061などはポンプがあるので、チューブまで導ければ十分ですから、
大きく曲がっている部分くらいで十分ではないでしょうか。
針金は短いですか?
どれもたいてい挿入分ほどの長さがあり、
全体にウイックを絡ませてあるように思いますが…?
(で、ないと次回引き抜きの際に苦労しますし。)
だから私は針金を回転させつつ押し込んでおります。
その際、事前にウイックを燃料で濡らして絞っておくとスムーズに入りますね。
(ウイックは乾燥時の方がふくらみがありかさばります。)

劣化については、見た目より手触り重視ですね。
汚れの付着や、繊維がもろさが確認できればもう交換ですね。
古いものをいじっていると、中にはタールや煤の汚れも実際あるので、
そういうのはおそらく、加熱され過ぎ内部で燃え始めてしまったり、
接続部からの漏れ火が原因なのではないでしょうかね。

つっぺは二本根っ子については開けたことはないですが、
おそらく「パイトーチストーブ」同様だと思います。
だから、あれらのつっぺは、溶接部分を溶かして外し、
ウイック交換後再度溶接という感じなんでしょうね。

ではでは。

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