96タイプのヴァポライザー(気化器)
先日持ち出して使っていた「旧型モニター・ピクニック・ストーブ」。

譲ってくれたイギリスの方が、
「うちのじいちゃんがずっと使っていたものです。」
というだけあり、パッキン交換だけで火が付いたので、即持ち出したのです。

ピクニックの名の通り、ケースをワンタッチで展開でき、
即使用体勢に入れるのが嬉しい!

ユニークなケースに比べストーブ本体は見慣れた96タイプのケロシンストーブ。
これはもともとプリムスの小型ケロシンストーブ№96をコピーしたもので、
モニターだけでなく他社でもたくさん製造されております。
ケロシンで一般的なローラーバーナーや、サイレントヘッドなどの複雑な構造を持たず、
ヴァポライザーにニップル代わりの穴をあけただけのシンプルな構造です。
おかげでヘッドを小型化し、携行に便利な小さなストーブを可能にしました。
(だから穴が広がるとちょっと面倒。その時はこういう方法で。その1・その2)
さて、そういうわけで屋外で試してみたこのピクニック。
予想以上にお湯が沸くのに時間がかかる。
そこで火力が足らないのかと加圧すると、妙に赤火が混じってくるしまつ。
この時は風が結構強く気温も下がってきていたので、
まあこんなものかと思いましたが、後日店番しつつ試してみても…
ん?
おかしいぞ?

350ccのお湯を沸かすのに15分はかかっている!
(しかも完全沸騰には微妙にいかない。)
そこでもしかしたら内部が汚れで詰まっているのかもしれないと思い、
ヴァポ部分を分解してみると…
ありゃ!
あるべきはずのストレナーが無い!
ストレナーとは燃料経路に挿入されている金属製の網で、
それによりヘッドに向かう燃料に交じる不純物を取り除いているのです。
しかも、96タイプの場合は単に燃料を濾すだけでなく、
このストレナーが予熱器の役割を果たすのでとても重要!
したがって、ストレナーを内蔵する筒部分を、
「ヴァポライザー(vaporizer)気化器」と呼びます。

つまり、プレヒートや燃焼による発熱が、
ヴァポ内部にぎっしりと詰め込まれたストレナーに伝わり、
結果、加熱されたストレナーを通過する燃料も高温のガスと化し、
ジェト孔から吹き出すので完全燃焼しやすくなるのです。
そういうわけで、単なるろ過だけではなく加熱装置の意味合いがむしろ強いので、
素材には熱伝導性の良い銅や真鍮を用いることが好ましいです。
(この点が、ろ過メインのホエーブスの時とは少し違います。)
で、せっかくなので今回ちょっと実験♪
【針金でストレナーの代用はできるか?】
そういうわけで、普通に銅や真鍮のネットを用いずに、
それらの針金を束にしたのちぐるぐる巻きにし、それをヴァポに突っ込んで燃やしてみました。
すると…

炎に勢いが増し、お湯は完全沸騰!
しかし350㏄沸かすのに、約10分と、ちょっと時間がかかりすぎ。
そこで針金を取り除き、銅のネットを丸めて挿入。
さてどうなった?

よし!
炎はより勢いを増し、沸騰までの時間も6分半に短縮♪
上から順に見比べると炎の勢いの差が一目瞭然!
のちに熱伝導性の劣るステンレスのネットでも試してみましたが、
時間は7分程度。
ということは素材の熱伝導性はそこまでシビアに考えなくともよく、
むしろ形状(ネットのロール状)の方が重要なのかもしれません。
【結論】
やはり96タイプのヴァポには金属ネットが一番好ましい。
(=^^=)ゞ
ちなみに今回使用した材料。

針金は、銅と真鍮それぞれ試しましたが差はなし。
銅ネットは、流しのネット、ステンのネットは茶こしを
それぞれ100均で買ってきてカットして使用しました。

譲ってくれたイギリスの方が、
「うちのじいちゃんがずっと使っていたものです。」
というだけあり、パッキン交換だけで火が付いたので、即持ち出したのです。

ピクニックの名の通り、ケースをワンタッチで展開でき、
即使用体勢に入れるのが嬉しい!

ユニークなケースに比べストーブ本体は見慣れた96タイプのケロシンストーブ。
これはもともとプリムスの小型ケロシンストーブ№96をコピーしたもので、
モニターだけでなく他社でもたくさん製造されております。
ケロシンで一般的なローラーバーナーや、サイレントヘッドなどの複雑な構造を持たず、
ヴァポライザーにニップル代わりの穴をあけただけのシンプルな構造です。
おかげでヘッドを小型化し、携行に便利な小さなストーブを可能にしました。
(だから穴が広がるとちょっと面倒。その時はこういう方法で。その1・その2)
さて、そういうわけで屋外で試してみたこのピクニック。
予想以上にお湯が沸くのに時間がかかる。
そこで火力が足らないのかと加圧すると、妙に赤火が混じってくるしまつ。
この時は風が結構強く気温も下がってきていたので、
まあこんなものかと思いましたが、後日店番しつつ試してみても…
ん?
おかしいぞ?

350ccのお湯を沸かすのに15分はかかっている!
(しかも完全沸騰には微妙にいかない。)
そこでもしかしたら内部が汚れで詰まっているのかもしれないと思い、
ヴァポ部分を分解してみると…
ありゃ!
あるべきはずのストレナーが無い!
ストレナーとは燃料経路に挿入されている金属製の網で、
それによりヘッドに向かう燃料に交じる不純物を取り除いているのです。
しかも、96タイプの場合は単に燃料を濾すだけでなく、
このストレナーが予熱器の役割を果たすのでとても重要!
したがって、ストレナーを内蔵する筒部分を、
「ヴァポライザー(vaporizer)気化器」と呼びます。

つまり、プレヒートや燃焼による発熱が、
ヴァポ内部にぎっしりと詰め込まれたストレナーに伝わり、
結果、加熱されたストレナーを通過する燃料も高温のガスと化し、
ジェト孔から吹き出すので完全燃焼しやすくなるのです。
そういうわけで、単なるろ過だけではなく加熱装置の意味合いがむしろ強いので、
素材には熱伝導性の良い銅や真鍮を用いることが好ましいです。
(この点が、ろ過メインのホエーブスの時とは少し違います。)
で、せっかくなので今回ちょっと実験♪
【針金でストレナーの代用はできるか?】
そういうわけで、普通に銅や真鍮のネットを用いずに、
それらの針金を束にしたのちぐるぐる巻きにし、それをヴァポに突っ込んで燃やしてみました。
すると…

炎に勢いが増し、お湯は完全沸騰!
しかし350㏄沸かすのに、約10分と、ちょっと時間がかかりすぎ。
そこで針金を取り除き、銅のネットを丸めて挿入。
さてどうなった?

よし!
炎はより勢いを増し、沸騰までの時間も6分半に短縮♪
上から順に見比べると炎の勢いの差が一目瞭然!
のちに熱伝導性の劣るステンレスのネットでも試してみましたが、
時間は7分程度。
ということは素材の熱伝導性はそこまでシビアに考えなくともよく、
むしろ形状(ネットのロール状)の方が重要なのかもしれません。
【結論】
やはり96タイプのヴァポには金属ネットが一番好ましい。
(=^^=)ゞ
ちなみに今回使用した材料。

針金は、銅と真鍮それぞれ試しましたが差はなし。
銅ネットは、流しのネット、ステンのネットは茶こしを
それぞれ100均で買ってきてカットして使用しました。
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コメント
液体ケロシンが噴出しないのは何故?
Re: 液体ケロシンが噴出しないのは何故?
こんにちは。
あの手のヴァポは、無茶な加圧をしない限り、
ストレナー無しでも結構きれいに燃えるようです。
ただやはりストレナーの有無でこれほど変わるということは、
ストレナーには加熱だけではなく、燃料を吸い上げるような意味合いもあり、
ある意味毛細管現象のような感じで表面を伝わらせ効果的にガス化させるのでしょう。
ちなみにジェットが詰まっていると、まず火が途切れて消えて、普通に燃えません。
96のヘッドは今回の様に一体で収納できるよう気があれば、
紛失の心配が減って安心ですよ。
軽油は私は使用したことが無いですが、
自己清掃機能の無いディーゼルエンジンのインジェクターなどのジェット類が簡単に詰まることなく、
またシリンダー内部にもすぐスラッジなどが溜まることなく普通に使用できているところを見ると、
恐らく含まれている成分が、ジェットの詰りに対し、問題になるほどの量ではないのではないか?
だから、ストーブ使用の場合もノーメンテで長期間使用し続けない限り、
さほど問題にならないのではないかと推測しております。
むしろ燃焼時に生じる有害成分の方が問題のような気もします。
実際、ゲニオールなども説明書を読んでいると、
ガソリン、およびディーゼルを使用と書いてあります。
(これはおそらく、車両燃料をそのまま使えるということを意味していると思います。)
ですが機能的には、通常のケロストと同じですから。
まあ、妻たところで清掃すればそれで済む話なんですがね。
あの手のヴァポは、無茶な加圧をしない限り、
ストレナー無しでも結構きれいに燃えるようです。
ただやはりストレナーの有無でこれほど変わるということは、
ストレナーには加熱だけではなく、燃料を吸い上げるような意味合いもあり、
ある意味毛細管現象のような感じで表面を伝わらせ効果的にガス化させるのでしょう。
ちなみにジェットが詰まっていると、まず火が途切れて消えて、普通に燃えません。
96のヘッドは今回の様に一体で収納できるよう気があれば、
紛失の心配が減って安心ですよ。
軽油は私は使用したことが無いですが、
自己清掃機能の無いディーゼルエンジンのインジェクターなどのジェット類が簡単に詰まることなく、
またシリンダー内部にもすぐスラッジなどが溜まることなく普通に使用できているところを見ると、
恐らく含まれている成分が、ジェットの詰りに対し、問題になるほどの量ではないのではないか?
だから、ストーブ使用の場合もノーメンテで長期間使用し続けない限り、
さほど問題にならないのではないかと推測しております。
むしろ燃焼時に生じる有害成分の方が問題のような気もします。
実際、ゲニオールなども説明書を読んでいると、
ガソリン、およびディーゼルを使用と書いてあります。
(これはおそらく、車両燃料をそのまま使えるということを意味していると思います。)
ですが機能的には、通常のケロストと同じですから。
まあ、妻たところで清掃すればそれで済む話なんですがね。
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ストレーナが無い状態の燃焼で、加圧したら余熱不足で液体ケロシンが噴出すると思うのですが、火力アップもせず、液体ケロシンも出なかったのは、ジェットの詰まりの原因が大きいような気がしますが、どうなのでしょうか?
96ヴァポタイプは小型で良いのですが、分解時にバーナーヘッドがバラバラになるでので紛失に注意ってところがデメリットですかね。
ケロシンストーブにディーゼル(軽油)入れると、潤滑油のベトベトでジェットが詰まると思うのですが、軍用のケロシンとディーゼル対応のストーブは、クリーニングニードル内蔵なのでしょうか?
96にホエーブス625のバーナーが付けば、ブラス、バルブ付、サイレント、クリーニングニードル、ガソリン、ケロシン、加圧式、とフル装備なのですがね。