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2020-02

炎が片寄る? 英軍用ストーブ№12 燃焼テスト

DSCN6658.jpg
ママァ~!裸じゃイヤ~♪

というわけで、ケースからひん剥かれまる裸の英軍ストーブ№12が二台。
実は今回メンテ依頼でうちに入院してきたのです。

実はこのオーナーさんがこの二台を長らくほかの方に貸し出されていたのですが、
久しぶりに戻ってくるとまともに燃えなくなっていたのだとか。
症状としてはどちらも炎に偏りができ、均等に広がらないだけでなく、
部分的には全くほのの出ないところもあるとか。
それと併せて一つは圧漏れがひどくまともに使用できないとのこと。

てなわけで、見ていくわけですが、便宜上圧漏れのない方をA、ある方をBと呼ぶことにします。

・A
炎の偏りのほとんどの原因はニップルの不良にあります。
そこで、まずニップル周辺を見てみようと開けてみると、

s-DSCN6660.jpg
あれまぁ!

ニードルがひん曲がっておるではないですか!
ならばとニップルの方も覗いてみると…

s-DSCN6662.jpg
やはりえぐれてる!

ニップル内側にも恐らくはニードルで削れたと思われる傷が入っておりました。
(おそらく原因は急激で乱暴なハンドル操作
それでガスの流れが乱れ炎に偏りが出たのだと思います。

ですので、どちらもし再使用は不可のため新品部品と交換しテストしてみたところ、

s-DSCN6681.jpg
調子よく燃焼♪まずはこれでOK.


・B

さて、次も同様まずニップルから調べてみますが、こちらは一見問題なさそう。
ですがルーペでよくよく見てみると、ニップルの表面が荒れて凸凹しているし、
特にジェット穴付近が一部ささくれ立った感じで盛り上り変形している。
また内側の穴の一部が変形しているように見受けられたので、
砥石とやすり、スチールウールなどで整形しなおしました。

s-DSCN6693.jpg
砥石は包丁用の粗目と細目を使用

s-DSCN6694.jpg
穴は径の合う針金にコンパウンドを塗り付け、出し入れしながらか磨きます。

s-DSCN6695.jpg
内側は、コンパウンドを塗ったスチールウールを竹串を用いて磨き上げます。

さて、その後は圧漏れ箇所のチェック。
オーナさんが
「フィラーキャップのかかりが浅いのでそこが怪しい。」
と、おっしゃっておられた通りその個所から盛大な圧漏れ!

s-DSCN6685.jpg

これはもうパッキンがどうとかいう問題ではなく、キャップが完全に閉まっていないことが原因。
つまりねじ山がつぶれててちゃんとねじ込めていないってこと。

恐らく貸出先で結構乱暴に扱われ、
きっちりねじが合っていないのに無理やり締めこまれてしまったのでしょう。
そしてねじ山のとんがった部分が削られ平らになってねじが合わなくなったんでしょう。
(つまりねじ山が「Λ」から「凸」になっちゃった。)

本来ならばこういう場合はサイズの合うダイスでねじ山を切りなおすのが一番いいのですが、
さすがにこんなに大きなサイズのものは持ち合わせがなく、
またこれだけのために買うには結構高額なので、
とりあえず汎用のねじ山修正器で修正しつつ、
慎重に締めこめる範囲を広げ、何とか気密できるところまで持っていけました。

s-DSCN6690.jpg

その後さっそくテストのため燃焼させてみたところ、

s-DSCN6705.jpg
うむ、奇麗な炎になってくれた♪

勢いのある良い炎になってくれたのでこれで一安心し、
その後様子を見るために燃焼させ続けていたところ、
5分ほどで明らかに火力が落ちるので、よく見てみると…

200206b.jpg
あら!ポンプ基部から漏れ?!
(燃料の灯油が泡となって噴き出てきています)

そこで試しに締めこんでみると結構締めこめたわりには圧漏れは収まらない。
しかもよく見れば、ナット部分に傷が入って舐めた跡もある。

なるほど…

これはおそらく貸出先で無理に開けようとした(もしくは開けた)ものの、
締めこみ時に十分なトルクで最後まで締めなかったため、
結局ガスケットに変な癖がついてしまったんだ。
(ここは15/16インチと、変則的で大きなためちょうどのメガネ以外では結構てこずるのです。)

そんなわけで、新しくガスケットを作成し組み込みました。

s-DSCN6710.jpg

ちなみに、本来のガスケットの素材はノンアスベストなのですが、
個人的な経験上、後々何かとゴムの方が使い勝手がいいような気がするので、
オーナーさんに確認を入れたのちゴムで作成いたしました。

そういうわけでこれで満を持しての燃焼テスト!

ほのおb

もちろん追加加圧はない状態でこれですから、十分合格でしょう!


てなわけで、今回も無事調子を戻し、オーナーさんのもとへと帰ってゆくのでした。

しかしま、今回の不調の原因はすべて貸出先での乱暴な操作が原因。
こういうオーナーの愛情を一顧だにしない無責任な態度には他人事ながら腹が立つ!
ましてや、これが私怒髪のものであったりしようものなら、
怒髪天を突き怒り狂うところですよ。
それにひきかえ、この№12のオーナーさんは本当に温厚で人間ができた方だなと…

でもほんと、貸出先は気を付けないとね。
みんながみんな、道具を大切に扱う人ばかりとは限らないもの。

*動画*




*追記*


というわけで、無事オーナーさんのもとへとお送り返すことができたのですが…

…、やはりネジ山、つぶれたNo12はダメそうです、
到着時に燃料が漏れていまして、燃料キャップから
泡がブクブクと・・・・
こいつは部品取りにしておきます。
お手数かけて申し訳ありませんでした。
私の手元に来る前の人はどうやって使っていたのでしょうね?
不思議です。


う~ん、なんとダメだったか!
そこまでねじ山がダメになっていたとは…

というわけで、部品取りにはもったいないので、
只今別の方法を検討し、オーナーさんに提案中であります。  
  
  ↓↓↓

というわけで、再度送り返していただきチェックしてみたところ、
漏れの程度は軽度であったために、タンク側にシールテープを3重に巻き対応しました。
この状態であれば、キャップを緩め差塩締めこんだりしない限り圧漏れを起こさな様子。
幸い№12のタンクは大容量ですから、一度満タンにしてから締めこんでおけば、
使用上特に問題はないと思われるので。
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