GIストーブ M-1941 (520)のレストア
久しぶりにGIストーブ M-1941が入荷しました。
今度のは鉄タンクのコールマン520ですが、

ちょっとレアな、初期タイプの四本足。
一応現状でも青く火が着くとのことでしたが…

いかんせん勢いがなく小さすぎ。
これではロウソク代わりにもならないではないか!
恐らく燃料通路が詰まっているか、どこかで圧漏れを起こしているのでしょう。
そこで、まずはパッキンを交換し圧漏れテストをしてみると、
そこはまずまずクリア。
での出燃料通路を確認清掃のため、ばらしていくこととしました。
~分解手順~
まず各部の名称をこう呼びます。

①ノブを回しスピンドルを取り除き、ヘッド、ヴァポライザーを緩める

1941はゴトクをバーナーでタンクにねじ込み固定してあるので、
バーナーを回転させ引き抜くのですが、その際スピンドルがあるとゴトクに干渉して回せません。
またトップ以下の部品は、バーナーがタンクに固定されている方が緩めやすいので、
最初のうちに緩めておきます。
②ゴトク固定ネジを緩めた後、バーナー部を回し引き抜く。

この際、タンクを固定し、バーナー部にレンチをくわえさせ叩くか、
反対に、バーナー部をバイスに固定し、タンクを手で持って回すか、
ケースバイケースで行いますが、
いずれにしても、事前に接続部をトーチで炙ると抜きやすくなります。
とまあ言葉でいうと簡単なのですが、
実はこのストーブはここが山場!
なんせ、もう70年近い代物だし、軍用だけにその後放置されているものが多く、
内部で腐食し、どうしようもなくなってしまっているものにもよく出会います。
だから、ここを乗り切れるかどうかはある意味運!
ちなみに、これは運が悪かった例です。

バーナー接続部が完全に腐食しており、
タンク側のねじも共回りするためぶった切ってみました。
これは真鍮製のタンクでしたが、底部、接合部、ポンプ部は鉄なので、
内部はこのとおり錆パラダイス!
だから、520の場合真鍮タンクといえども決して油断できないのですよ。
③バーナー部分解

今回のものは、ご覧の様な状態。
ニードルはヴァポ内部のストレナーに完全に固着しており、
さすがにこれでは燃料がスムーズに流れません。
そして、じつは困ったことに…

レバー(ニードルレバー)が途中から折れております。
これは全オーナーが、固着していたのを無理に回した結果でしょうね。
そういうわけでこの部分は、内部のグラファイトパッキンを砕いて取り除いたのちに引き抜きます。
(この作業には精密ドライバーが便利です。)
そののち針金を加工し新しいレバーを作成します。
④清掃

大まかな汚れを酸で洗い、その後磨き上げていきます。
この程度なら十分OKでしょう♪
無論その他のパーツ(トップ、ヴァポ、ニードル、ニップル、チェックバルブなど)も同様に。
⑤仮組&圧漏れテスト

接合部にテフロンテープを厚めに巻き、仮組み。

今回はこういうの(プレヒートカップ)を作り仕込んでみました。
(作り方はこちら。「プレヒートカップの作成」)
このモデルはヒートカップを持たないモデルが多く、
かといって、マニュアル通り、トップにガソリンをあふれさせプレヒートすると、
すぐにバーナー部が真っ黒のすすだらけになるので嫌なんですよね。
その後加圧し、時間を置き圧漏れのチェック。
(今回は24時間以上加圧状態を保てる好成績でした。)
数時間放置しても問題が無い場合は、タンク内にパーツクリーナーを吹き込み、
その後バルブを開き液が出るのを確認したのち、タンク内を乾燥させ本組みへ。
(状態によっては、エアは出るが燃料が出ない場合もあり得ますので念のため。)
⑥本組み&燃焼テスト
接続部のネジ山に注意しながら丁寧に組み上げます。
特にタンク接合部のねじはテーパー状になっていますから、
調子に乗って締め込むとどこまでも入っていくので、
ねじ込みすぎないようにくれぐれも注意を。

ほら!
きれいな青い火が勢いよく出てるでしょう?
念のため、各部にライターの炎を近づけ圧漏れをチェック。
特に以下の個所は必ず!
・スピンドル&ニードルレバー根元
・ポンプノブ&フィラーキャップ辺り
・バーナーとタンクの接合部
漏れがあれば、即火を消しその後増し締め。
必要ならばグラファイトパッキンを追加。
その後、30分ほど連続燃焼させれて異常が無くば作業完了!
以上で作業は完了です。
今度のは鉄タンクのコールマン520ですが、

ちょっとレアな、初期タイプの四本足。
一応現状でも青く火が着くとのことでしたが…

いかんせん勢いがなく小さすぎ。
これではロウソク代わりにもならないではないか!
恐らく燃料通路が詰まっているか、どこかで圧漏れを起こしているのでしょう。
そこで、まずはパッキンを交換し圧漏れテストをしてみると、
そこはまずまずクリア。
での出燃料通路を確認清掃のため、ばらしていくこととしました。
~分解手順~
まず各部の名称をこう呼びます。

①ノブを回しスピンドルを取り除き、ヘッド、ヴァポライザーを緩める

1941はゴトクをバーナーでタンクにねじ込み固定してあるので、
バーナーを回転させ引き抜くのですが、その際スピンドルがあるとゴトクに干渉して回せません。
またトップ以下の部品は、バーナーがタンクに固定されている方が緩めやすいので、
最初のうちに緩めておきます。
②ゴトク固定ネジを緩めた後、バーナー部を回し引き抜く。

この際、タンクを固定し、バーナー部にレンチをくわえさせ叩くか、
反対に、バーナー部をバイスに固定し、タンクを手で持って回すか、
ケースバイケースで行いますが、
いずれにしても、事前に接続部をトーチで炙ると抜きやすくなります。
とまあ言葉でいうと簡単なのですが、
実はこのストーブはここが山場!
なんせ、もう70年近い代物だし、軍用だけにその後放置されているものが多く、
内部で腐食し、どうしようもなくなってしまっているものにもよく出会います。
だから、ここを乗り切れるかどうかはある意味運!
ちなみに、これは運が悪かった例です。

バーナー接続部が完全に腐食しており、
タンク側のねじも共回りするためぶった切ってみました。
これは真鍮製のタンクでしたが、底部、接合部、ポンプ部は鉄なので、
内部はこのとおり錆パラダイス!
だから、520の場合真鍮タンクといえども決して油断できないのですよ。
③バーナー部分解

今回のものは、ご覧の様な状態。
ニードルはヴァポ内部のストレナーに完全に固着しており、
さすがにこれでは燃料がスムーズに流れません。
そして、じつは困ったことに…

レバー(ニードルレバー)が途中から折れております。
これは全オーナーが、固着していたのを無理に回した結果でしょうね。
そういうわけでこの部分は、内部のグラファイトパッキンを砕いて取り除いたのちに引き抜きます。
(この作業には精密ドライバーが便利です。)
そののち針金を加工し新しいレバーを作成します。
④清掃

大まかな汚れを酸で洗い、その後磨き上げていきます。
この程度なら十分OKでしょう♪
無論その他のパーツ(トップ、ヴァポ、ニードル、ニップル、チェックバルブなど)も同様に。
⑤仮組&圧漏れテスト

接合部にテフロンテープを厚めに巻き、仮組み。

今回はこういうの(プレヒートカップ)を作り仕込んでみました。
(作り方はこちら。「プレヒートカップの作成」)
このモデルはヒートカップを持たないモデルが多く、
かといって、マニュアル通り、トップにガソリンをあふれさせプレヒートすると、
すぐにバーナー部が真っ黒のすすだらけになるので嫌なんですよね。
その後加圧し、時間を置き圧漏れのチェック。
(今回は24時間以上加圧状態を保てる好成績でした。)
数時間放置しても問題が無い場合は、タンク内にパーツクリーナーを吹き込み、
その後バルブを開き液が出るのを確認したのち、タンク内を乾燥させ本組みへ。
(状態によっては、エアは出るが燃料が出ない場合もあり得ますので念のため。)
⑥本組み&燃焼テスト
接続部のネジ山に注意しながら丁寧に組み上げます。
特にタンク接合部のねじはテーパー状になっていますから、
調子に乗って締め込むとどこまでも入っていくので、
ねじ込みすぎないようにくれぐれも注意を。

ほら!
きれいな青い火が勢いよく出てるでしょう?
念のため、各部にライターの炎を近づけ圧漏れをチェック。
特に以下の個所は必ず!
・スピンドル&ニードルレバー根元
・ポンプノブ&フィラーキャップ辺り
・バーナーとタンクの接合部
漏れがあれば、即火を消しその後増し締め。
必要ならばグラファイトパッキンを追加。
その後、30分ほど連続燃焼させれて異常が無くば作業完了!
以上で作業は完了です。
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