固着ニップルは手こずる~! ~英軍用 №2~
実はもうずいぶん前になっちゃうんですが、
英軍用ストーブ№2を修理でお預かりしていたんです。
海外から購入されたものの、バーナーと燃料パイプの接続が悪く、
すき間ができて固定できないとのことでした。
で、その部分については、厚さを合わせた鉛パッキンを作成することで解決。

(作り方は「鉛ガスケットの自作」参照のこと)
そしてその後、無事固定でき圧漏れもないようなので燃焼テストへ。
すると…

あちゃ~!
漏れこそないものの、派手な赤火でございます。
ま、こういう時はあれだな。
たいていはニップル不良。
ニップルの穴が広がりすぎて、異常燃焼してるんだ。
だから取り外して、穴を小さくする(広がったニップルの穴参照)か、最悪交換すれば解決する!
というわけでまずはニップルの取り外し♪
とはいえ、こいつのニップルはずいぶん奥まった、またややこしい位置にあるから、
付属の頼りないレンチしか通用しそうにない。
そこで、まずはニップル周辺をトーチで炙り、舐めないように気を付けて…
ん?
なんだこれ!
全く緩む気配が無い!
いやな予感はしていたのですが、
固着の度合いが半端なく、このままだとニップルをなめるだけでなく、
レンチをもゆがめて広げてしまう。
そこでその後は、あの手この手でニップルを緩めることに挑んでおりました。
まずはショックドライバーなどを利用し、より瞬間的に大きなトルクをかけれるように、
ボルトを削り専用工具を自作。

しかし全くダメ!
どうも思っている以上に固着がひどく、
これはもう固着というより、真鍮同士の食い付き合いみたいな感じがしてきたので、
オーナーさんに連絡し、ニップルの破損は覚悟をしてもらいました。
しかし、これどうする?
御覧の様にけったいな形状で、これ以上分解できないので、
工具を差し込むスペースがかなり限られ、使える工具が限定される。
だから何とかすき間に差し込めそうな、先細のバイスプライヤーを購入し挑戦!
_l ̄l○lll でも、ダメだった…
ならばと、少しでも食いつきの力を弱めてやろうと、
ニップルの肩をこのように削り落としてみて挑戦!

_l ̄l○lll でも、ダメだった…
ならばと最終手段の逆タップ!
径の合うタップを購入し、逆回転可能な電動インパクトも友人(しょっち~さん)から借り入れてチャレンジ!
普通の固着なら、これで緩まないものはない!
さあどうだ?!
_l ̄l○lll でも、ダメだった…
もうこうなれば最終手段。
ネジ径よりも少しだけ小さめのドリルで慎重に穴をあけ、
固着しているねじ部分を薄いちくわ状態にして、針などで引きはがす!
これでどうだ~~~!

う~~~~ん、微妙ぅ~~~~~。
上部に食い込んでいた部分は綺麗にはがせたが、
下部分に食い込んでいるものは、もはや一体化しておりはがすのが困難。
(おまけに何とも作業しづらい位置にあるのでもう涙目!)
そういうわけで、この部分を文字通りネジをねじ込みネジ山を強制的に復活させようと、
合うネジを探しに日本橋へ!
(実はこの時がそうでした。)
_l ̄l○lll でも、ダメだった…
かなり特殊で入手不可!
もうこうなると仕方がないので、とりあえず2周弱はニップルが回転するので、
厚みのあるカラーを作成しそれで固定しようかと考えておりました。
と、そんなとき!
何気に検索をかけてみたら…
あるじゃない!
このサイズのタップが!
(ねじ山を切る工具)
なんとまあ、海外サイトでこのサイズのものが売りに出されていて、
それを即注文!
で、先日それが届いたので、こうして慎重にねじ山を切っていきました。

穴に対して垂直にねじ込んでいかねばならないので、
不器用な私は、このようにタップをバイスにくわえさせ固定してから、
本体の方を慎重に回していきます。
この方が、垂直、水平の状態を目視しやすいのですよ。
で、何とかネジ山が切れたので、用意していた新品のニップルをはめ込んでみると…

ヽ(^∀^)ノ やった~!ピッタリ~!
というわけで、あとは必要部品を組みめば…
とはいったものの
タップを切る際に開けた下穴の影響で、ニードルを挿入しても中で踊ってしまい、
ギアがうまくかみ合わず使えない。
つまり…
ニードルを装着できない!
そこで取りあえず、ニードル無しで組み上げました。
さてお待ちかねの試験燃焼。
どうかな?

お!
なかなかいけてるやん!
だがしかし!
喜んだのもつかの間。

ゲゲゲゲ!
なんじゃこりゃ!
急に炎が暴れ出した!
これはたぶんあれだな。
あの時のR1同様、ニップル下部にあるべきニードルが無いので、
そこに余分にたまったガソリンがあふれようと暴れるせいだな。
(*№2は特にここのスペースが大きく、ガスのたまりが多くなるような気がします。)
ちなみに動画だとこんな感じ。
使えないことはないけど結構鬱陶しい。
とはいえ、ニードルを組み込むとギアが噛み合わずスピンドルが途中でつっかえるし…
そうだ!
というわけでこういうのを作ってみました。

真鍮製のダミーニードル。
本物より細く、またギアを刻んでいないので、
スピンドルに干渉せずに、内部の空き部分を埋め容積を減らし、
内部に溜まるガスを少なくするはず。
さて実験。
どうかな~?

お!
ええ感じやん!
とろ火弱火は問題なし!
で強火にすると、1~2分はしゃっくりをするものの、

その後はこの様にきれいに安定!
この辺の変化は、動画だとよくわかります。
ちょい長めですがご覧ください。
最初しばらくは小さいしゃっくりをしますが、その前の状態と比べればかなり安定してるでしょ?
その後、いったん冷ましたのち、5分、また冷ましてから10分、
そしてまた冷ましてから最後に20分と連続使用を試してみましたが無問題。
ほっ、やっとでけた~!
これでオーナーさんにお送りできる。
というわけで、ずいぶん時間がかかっていたのであります。
いや~、今回はてこずったな~。
でも、何とかなるもんだ…
とはいえ、もうこの手の固着ものはコリゴリだ~!
(=^^=)ゞ
英軍用ストーブ№2を修理でお預かりしていたんです。
海外から購入されたものの、バーナーと燃料パイプの接続が悪く、
すき間ができて固定できないとのことでした。
で、その部分については、厚さを合わせた鉛パッキンを作成することで解決。

(作り方は「鉛ガスケットの自作」参照のこと)
そしてその後、無事固定でき圧漏れもないようなので燃焼テストへ。
すると…

あちゃ~!
漏れこそないものの、派手な赤火でございます。
ま、こういう時はあれだな。
たいていはニップル不良。
ニップルの穴が広がりすぎて、異常燃焼してるんだ。
だから取り外して、穴を小さくする(広がったニップルの穴参照)か、最悪交換すれば解決する!
というわけでまずはニップルの取り外し♪
とはいえ、こいつのニップルはずいぶん奥まった、またややこしい位置にあるから、
付属の頼りないレンチしか通用しそうにない。
そこで、まずはニップル周辺をトーチで炙り、舐めないように気を付けて…
ん?
なんだこれ!
全く緩む気配が無い!
いやな予感はしていたのですが、
固着の度合いが半端なく、このままだとニップルをなめるだけでなく、
レンチをもゆがめて広げてしまう。
そこでその後は、あの手この手でニップルを緩めることに挑んでおりました。
まずはショックドライバーなどを利用し、より瞬間的に大きなトルクをかけれるように、
ボルトを削り専用工具を自作。

しかし全くダメ!
どうも思っている以上に固着がひどく、
これはもう固着というより、真鍮同士の食い付き合いみたいな感じがしてきたので、
オーナーさんに連絡し、ニップルの破損は覚悟をしてもらいました。
しかし、これどうする?
御覧の様にけったいな形状で、これ以上分解できないので、
工具を差し込むスペースがかなり限られ、使える工具が限定される。
だから何とかすき間に差し込めそうな、先細のバイスプライヤーを購入し挑戦!
_l ̄l○lll でも、ダメだった…
ならばと、少しでも食いつきの力を弱めてやろうと、
ニップルの肩をこのように削り落としてみて挑戦!

_l ̄l○lll でも、ダメだった…
ならばと最終手段の逆タップ!
径の合うタップを購入し、逆回転可能な電動インパクトも友人(しょっち~さん)から借り入れてチャレンジ!
普通の固着なら、これで緩まないものはない!
さあどうだ?!
_l ̄l○lll でも、ダメだった…
もうこうなれば最終手段。
ネジ径よりも少しだけ小さめのドリルで慎重に穴をあけ、
固着しているねじ部分を薄いちくわ状態にして、針などで引きはがす!
これでどうだ~~~!

う~~~~ん、微妙ぅ~~~~~。
上部に食い込んでいた部分は綺麗にはがせたが、
下部分に食い込んでいるものは、もはや一体化しておりはがすのが困難。
(おまけに何とも作業しづらい位置にあるのでもう涙目!)
そういうわけで、この部分を文字通りネジをねじ込みネジ山を強制的に復活させようと、
合うネジを探しに日本橋へ!
(実はこの時がそうでした。)
_l ̄l○lll でも、ダメだった…
かなり特殊で入手不可!
もうこうなると仕方がないので、とりあえず2周弱はニップルが回転するので、
厚みのあるカラーを作成しそれで固定しようかと考えておりました。
と、そんなとき!
何気に検索をかけてみたら…
あるじゃない!
このサイズのタップが!
(ねじ山を切る工具)
なんとまあ、海外サイトでこのサイズのものが売りに出されていて、
それを即注文!
で、先日それが届いたので、こうして慎重にねじ山を切っていきました。

穴に対して垂直にねじ込んでいかねばならないので、
不器用な私は、このようにタップをバイスにくわえさせ固定してから、
本体の方を慎重に回していきます。
この方が、垂直、水平の状態を目視しやすいのですよ。
で、何とかネジ山が切れたので、用意していた新品のニップルをはめ込んでみると…

ヽ(^∀^)ノ やった~!ピッタリ~!
というわけで、あとは必要部品を組みめば…
とはいったものの
タップを切る際に開けた下穴の影響で、ニードルを挿入しても中で踊ってしまい、
ギアがうまくかみ合わず使えない。
つまり…
ニードルを装着できない!
そこで取りあえず、ニードル無しで組み上げました。
さてお待ちかねの試験燃焼。
どうかな?

お!
なかなかいけてるやん!
だがしかし!
喜んだのもつかの間。

ゲゲゲゲ!
なんじゃこりゃ!
急に炎が暴れ出した!
これはたぶんあれだな。
あの時のR1同様、ニップル下部にあるべきニードルが無いので、
そこに余分にたまったガソリンがあふれようと暴れるせいだな。
(*№2は特にここのスペースが大きく、ガスのたまりが多くなるような気がします。)
ちなみに動画だとこんな感じ。
使えないことはないけど結構鬱陶しい。
とはいえ、ニードルを組み込むとギアが噛み合わずスピンドルが途中でつっかえるし…
そうだ!
というわけでこういうのを作ってみました。

真鍮製のダミーニードル。
本物より細く、またギアを刻んでいないので、
スピンドルに干渉せずに、内部の空き部分を埋め容積を減らし、
内部に溜まるガスを少なくするはず。
さて実験。
どうかな~?

お!
ええ感じやん!
とろ火弱火は問題なし!
で強火にすると、1~2分はしゃっくりをするものの、

その後はこの様にきれいに安定!
この辺の変化は、動画だとよくわかります。
ちょい長めですがご覧ください。
最初しばらくは小さいしゃっくりをしますが、その前の状態と比べればかなり安定してるでしょ?
その後、いったん冷ましたのち、5分、また冷ましてから10分、
そしてまた冷ましてから最後に20分と連続使用を試してみましたが無問題。
ほっ、やっとでけた~!
これでオーナーさんにお送りできる。
というわけで、ずいぶん時間がかかっていたのであります。
いや~、今回はてこずったな~。
でも、何とかなるもんだ…
とはいえ、もうこの手の固着ものはコリゴリだ~!
(=^^=)ゞ
スポンサーサイト